【車検証】住所変更してないとどうなる？罰金を支払う場合も？

「車検証の住所変更をしてない！」
このことに気づいてしまった人は、何か問題が起きるのではと不安に駆られてしまいます。一方で周囲の人に車検証の住所変更をしていないことを告げると「問題ないよ」「別に困ることはない」こういった返答が返ってきます。すぐに住所変更するべきなのか、焦らなくてよいのかどちらでしょう。

本記事では、車検証の住所変更を行わない場合にどんな問題が起こるのか、そしてどう対処すればよいのか解説します。

引っ越しの経験がある人は、一度は体験したことがあるこの不安。本当に心配する必要があるのか、確認してみましょう。

このコラムのポイント
車検証の住所変更を行っていないと「どうなってしまうのか」が分かります。 住所変更をしていないことに気づいたとき、どうするべきかが分かります。 車検証の住所変更にまつわる注意点が分かります。

車検証の住所変更をしないと困ること

現在住んでいる住所と、車検証に記載されている住所が異なる場合、どんな問題が起こるのでしょうか。

（1）罰金を取られてしまった

一番気になるのは「罰金を取られる恐れはあるのか？」ということ。そもそも住所変更を行わないと罰金が取られる話は、どこから生まれたのでしょうか。

根拠となるのは、道路運送車両法第十二条の「変更登録」です。変更登録の内容の中には「所有者の氏名若しくは名称若しくは住所または～中略～その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。」とあります。さらに第百九条には、上記の申請を行わない場合に「五十万円以下の罰金に処する」と記載されています。

ただし、住所変更のし忘れで罰金を払った経験を持つ人は聞いたことがなく、あくまで「罰金を受ける可能性がある」と認識しておきましょう。

（2）納税通知書が届かず滞納した

ここからは車検証の住所変更を行わないことで生じる、具体的なデメリットを紹介します。まずは「納税通知書が届かず滞納した」という事例です。自動車税の納税通知書は、車検証に記載されている住所に届きます。住所が変わっても車検証の住所変更を行わなければ、前の住まいに納税通知書が送られてしまいます。

結果として納税するタイミングを知らず、延滞金の発生や後述する様々な問題が発生します。

（3）自動車税の滞納で車の売却・廃車ができなかった

自動車税を滞納すると、納税証明書が手に入らないので「車の売却・廃車ができない」可能性があります。納税証明書がなければ、次のオーナーが車検を受けられないなど、売買後にトラブルに発展する可能性があるので、買い取りを拒否する会社もあるようです。

（4）納税証明書を持っておらず車検を受けられなかった

納税証明書が無いため「車検を受けられなかった」ケースもあります。車検を受ける際は、自動車税を支払ったことを証明する必要がありますが、納税証明書は最も分かりやすい書類です。

平成27年4月から運輸支局側で電子的に納付確認ができるようになり、納税証明書を求められないケースもでてきていますが、スムーズに手続きを済ませるには、従来の納税証明書も一緒に提出することをおすすめします。

〈関連リンク〉車検時に納税証明書の提示が省略できるようになりました（茨城県）

（5）リコール通知が届かず修理が遅れた

自動車の設計・製造に問題があったため、自動車メーカーが問題のあった商品を回収・修理するリコール。「リコールの通知」も車検証に記載の住所に届くので、住所変更をしていないとリコールを知らないまま運転し続けることになるかも。

同乗者の命を預かって運転する車。しっかり整備して安全な運転環境を整えましょう。

住所変更してない！気づいたら？

では、住所変更に気がついたら、どのように動けばよいのでしょうか。

（1）気づいたらすぐに住所変更手続き

大切なのは「気が付いたときに、すぐに行動」です。住所変更手続きを行わない場合に受ける可能性のある問題は先述したとおり。問題が我が身に降りかからないよう、迅速に行動しましょう。

具体的な手続きは以下のとおりです。

• 普通車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車協会に行き、申請書を記入。
• 申請書・必要書類と一緒に手数料を支払う。
• 車検証の交付を受ける
• 運輸支局内にある自動車税の申告書窓口に、自動車税申告書と車検証を提出。
• （変更がある場合は）ナンバーの交付を受けて付け替える。

（2）住所変更に必要な書類

住所変更をするために必要な書類は次のとおりです。

• 申請書
• 手数料納付書
• 自動車税納付書
• 変更の事実を証する書面（通常は住民票）
• 車検証
• 自動車保管場所証明書（車庫証明。軽自動車の場合不要）

このうち申請書・手数料納付書・自動車税納付書は申請場所にあるので、実質準備するのは住民票・車検証・車庫証明の3つです。車庫証明は管轄の警察署に出向き取得する必要があります。

〈関連リンク〉氏名・住所・使用の本拠の位置などを変更した場合（国土交通省）

〈関連リンク〉車庫証明について（警視庁）

（3）車検のタイミングでもOK

車検のタイミングが近い場合は「車検と一緒に住所変更を行う」こともできます（原則は15日以内ですが）。業者に依頼する場合でも「住民票・車庫証明書・車検証」は必要で、さらに委任状が追加で必要になります。

車検と住所変更にまつわる疑問

車検証の住所変更をしていない場合について解説しました。最後に、住所変更に関連して聞かれることの多い疑問を紹介して回答します。

（1）転入届提出から何日以内に行うの？

1つ目は「住所変更はどのタイミングで行うの？」というもの。

先述した道路運送車両法に基づくと「住所変更を行った日から15日以内」に申請を行うことが定められています。可能であれば引っ越しをした日に、車検証の住所変更も行いたいもの。しかし必要書類の中の車庫証明だけ、申請から交付までに2～3日を要するため、普通車の場合は引っ越しと同時に住所変更を行うのは難しいでしょう。

（2）住所変更にかかる時間は？費用は？

2つ目の質問は「住所変更にかかる時間と費用」について。

住所変更はナンバーの変更がなく、混雑していなければ1時間前後で完了します。ナンバーの変更を伴うものでも、1時間30分ほどで手続きは完了します。なお、時期や時間によって陸運局の混雑具合は変わり、手続きに要する時間も変わります。特に避けたいのは決算時期が重なる3月です。非常に混雑するので、3月は避けられるよう余裕をもって手続きを行いましょう。

費用は以下のとおりです。

• 変更登録手数料：350円
• 車庫証明手数料：3,000円
• ナンバープレート代：1,500円

地域によって手数料は異なりますが、ナンバープレート交換を伴う場合でも5,000円以内で手続きは完了するでしょう。

（3）忙しくて住所変更に行けないんだけど…

引越し後、仕事で忙しくて車検証の住所変更に行けない場合もあるでしょう。この場合「住所変更を代行してもらう」こともできます。

車庫証明やナンバー変更の手続きの有無で料金が変わるので、どこまで手間をかけられるか検討してみましょう。ケースごとに必要となる書類も変わるので、合わせて確認が必要です。

（4）オンラインで手続きできないの？

実は住所変更手続きは「オンラインで自宅にいながら行える」ようになっています。国土交通省は「自動車保有関係手続のワンストップサービス（OSS）」を開始しており、保管場所証明申請、移転登録申請、自動車税の申告といった一連の流れを全てオンラインで完結できるようになっています。

〈関連リンク〉自動車保有関係手続のワンストップサービス（国土交通省）

ナンバー変更を伴う場合でも、次回の車検時に付け替えればよいとする通達もあり、手続きの手間や費用を抑えられる可能性があります。

〈関連リンク〉ナンバープレート交換の猶予について（国土交通省）

（5）ナンバープレートも変わっちゃうの？

住所変更で「管轄する運輸支局が変わる場合」に、ナンバープレートも変更が必要になります。引っ越し先が他市区町村であっても、運輸支局が変わらなければ、変更は不要です。

運輸支局は国土交通省のホームページから検索可能です。気になる人は調べてみましょう。

〈関連リンク〉全国運輸支局等のご案内（国土交通省）

まとめ│気がついたらすぐに手続きを

車検証の住所変更をしないとどうなってしまうのか、さらに住所変更にまつわる疑問について紹介、解説しました。

法律に基づくと、住民票の住所を変更した日から15日以内に車検証の住所も変更する必要がありますが、実際に罰金を払う可能性は低いようです。一方で、納税証明書が届かなかったり、リコール通知が届かなかったり、適切な納税や安全な運転を妨げる事態に発展する可能性が示唆されました。

ただちに問題が生じる訳ではありませんが、住所変更をしていないことに気づいたら、すぐに手続きを行うことをおすすめします。

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